社長メッセージ

食を通じた心と心の触れ合いから、現場がいちばん輝く会社になる。

製販一体の基本に立ち返り、お客様に喜んでいただけるワタミになる。

私たちワタミが携わる外食事業、特に居酒屋市場は今、マーケット全体が縮小し“冬の時代”と言われています。そこでは若者のアルコール離れとか、家庭の外食控えとか、さまざまな原因が挙げられています。そのような状況の中でも繁盛し続けている居酒屋もあれば、新しい業態で大きな話題を得ている飲食店も数え切れないほどあります。確かに市場環境は大きく変化していますが、外食産業が無くなるわけではありません。私たちが、この厳しい時代を生き抜くためには、環境のせいにするのではなく、自らマーケットを変えていくような独自の戦略を持つことが重要だと思います。
2015年3月1日、グループ内のワタミフードサービス、ワタミ手づくりマーチャンダイジング、ワタミタクショクの3社を合併統合しました。これはワタミグループ全体の食に関わる事業をもう一度見直し、お客様により良い商品をより安く提供するための取り組みです。これまでワタミグループでは、商品を生産・加工し、それを流通に乗せて販売する過程を、それぞれワタミ手づくりマーチャンダイジングという事業会社が担っていました。それは、創業時から現在に至るまで、グループの多岐にわたる事業をそれぞれ成長させるために生まれた仕組みでしたが、外食分野においては各事業会社で必要となる中間コストによって、お客様に提供する時点でコストの優位性が保てませんでした。私たちはワタミグループの食に関わる3社を統合することで、この会社間の中間コストをなくし、お客様のニーズやお店の声をいち早く生産と加工の現場に還元できる体制へ変えていきます。これにより、さらにワタミファームで生産している有機野菜や乳製品などの産品も生かしやすくなり、品質が良く、しかもさらに安い価格の商品を届けることができるようになります。私たちは、もう一度ワタミの基本に立ち戻り、お客様に喜んでもらえるお店づくり、商品づくりをしていくために、製販一体の仕組みは、お店の形態だけでなく社員一人ひとりのキャリアプランにも多様な広がりを生みだすでしょう。

今まで以上に現場の声が反映され、店長がいちばん輝き、 イキイキとするワタミにしよう。

私は仕事の原点は、現場にあると考えています。私たちは今日までお客様と接する現場で、いろいろな経験をし、いろいろなことを感じ、いろいろな改善をしながら成長してきました。そこで言えることは、どんなに高い理想を掲げても、私たちがお客様にお届けできるものは一つのメニューの味であり、価格であり、お店の雰囲気であり、サービスの一つひとつだということです。お店の立地、内装なども含め、私たちの思いは現場でしか表現できません。今、私たちが厳しい市場環境の中で見つめ直さなければいけないのは、もう一度現場に必要なことを最優先に考え、お客様と現場で働く社員の声がしっかりと反映できる店づくりなのです。
そのために求められることは、お店を任せる店長のやりがいを高められる働き方にあると思います。私は自分の経験から、外食事業の中で最も重要なポストは店長であり、店長こそが華だと考えています。だからこそ店長としてお店を成長させるスキルを持った人には、少しでも長く店長を続けてほしい。しかし、現在の給与体系では店長よりも課長の方が高収入となっています。ワタミ(外食事業)に入社し、店長の経験を積んで生活のステージが変わり始めた時、より多くの収入を得ようとすれば、どうしても課長・部長を目指すことになります。しかし、人には向き不向きがあり、人によっては店長を天職のように感じ、ずっと店長を続けたいと願う人もいます。しかも、その店長が経営者の視点を持って自立していれば、その店長の上にポジションは必要ありません。今まで課長がやっていたマネジメントを店長に任せることができれば、その分を給与に反映することができるのです。それを証明しているのがワタミのDFC制度で独立したオーナー店長で、彼らの上には課長もいませんし、中には私より高収入の人もいるのです。また店長だけでなく、料理が得意な人には料理の道でステップアップできる仕組みも必要でしょう。和食を極めたい、イタリア料理や中華料理のトップシェフを目指したい、という人に将来の道を用意することも私たちの責任だと考えています。店長、料理人、オーナーなど、ワタミで働くことで将来も自分の能力を活かせる現場が選べ、その道で長く働くことができる。そして食のさまざまなジャンルで専門性を高めることができ、多くの人がやりがいを見い出せるキャリアアップの道を作っていくことで、ワタミの店はさらに魅力的になれると思っています。

人の温かさと心のつながりを感じることのできる、 一人でも多くの人と出会い、仕事をしたい。

私は今から25年前、大学時代に「和民」でアルバイトをし、そのままワタミに入社しました。その時、私が純粋に感じたのは「この仕事は、自分が頑張った分だけ人から評価される仕事だ」ということです。私が笑顔でお客様に接すれば、お客様も笑顔で返してくれる。逆に自分の気持ちが入っていない時は、何をやってもうまくいかない。そこに大きな魅力を感じたのです。「あぁ、この仕事は心でするものなんだ!」と。一緒に働く仲間やお客様と心が通い合ったと実感できた時「本当にいい仕事だな」と本気で思いました。
今、私たちワタミグループは社会から厳しい目を向けられている事実があります。私たちは、そこから逃げることなく真摯に向き合い、お客様のニーズに応えていく必要があります。その中で、ワタミで働く人(働こうと考えている人)に知ってほしいのは、外食の仕事はとても心温かいということです。お店を支えているのは、結局一人ひとりの人間の力であり、人の心がなければ成り立たない仕事だということです。 ワタミは以前から、社員一人ひとりが夢を持って働く会社のように思われていますが、その本質的な意味は「夢を持ち、毎日の努力の中で、人間性を高め、有意義な人生を送る」ということです。入社時に夢を持っているかどうかではなく、ワタミの『「人」と「人」がふれあうあらゆる場面で、“ありがとう”を集める』という理念を共有しながら、仕事を通して何か目標を見つけてほしいのです。社員一人ひとりが、自分に合った働き方を見つけ、毎日の仕事の中でいろいろなことを学び、そこで自分の役割や使命を感じ「自分はどんなことで会社や社会に貢献できるか」ということを考えてほしい。その先に将来の夢が見つかればいいと思うのです。
人の心は、ポジティブな時ばかりじゃなくネガティブな時もあります。会社もそれと同じで、社員の思いがグッと一つにまとまって大きな力を発揮する時期もあれば、ちょっとバラバラになりそうな時もある。そんな、心が折れそうになったり、離れがちになりそうな時に、思いを一つにして助け合い解決できるのも人の力です。今は、悩んだり、迷ったりする人もいるでしょう。しかし、私はそんな時期が長く続くとは思っていません。ワタミで働く一人ひとりがお客様と触れ合う現場と、仲間との心のつながりを大切に思う人がいる限り、また新しい成長があると確信しています。